ゴッホさんへ　無声文with鈴虫チロロン

てか、

ホントは

厚かましくも

ゴッホくん。って

呼びたい　んです。
だって

彼の享年が

ずいぶん下だから。
なんかね

こういう

なんでもない

野っぱら見ると

ムショーに

君を想うんだ。
君は晩年

鉛筆画で

こんな風景を描いたよね。
特別なものはない

この上なく

なんてことない風景。
精神病院にいながら

なんとか

内なる均衡を

保とうと

紙に

その痕跡を

遺すようにして。
だけど

それは

不思議と

悲壮感はなく

あたたかで

しずかな明るさ　に

満ちているんだ。
辛くて

辛くて

辛いのに

なんで

あんな

絵が描けたの？
だって、

ずっと、
理想高く持てど　さ

なんか

上手くいかなくて　さ

友だちとも

上手くいかなくて　さ

弟さんに

いつも手紙で

めっちゃ低姿勢で

絵の具の手配お願いして　さ

そもそも　さ

おんなじ名前の

お兄さんが

幼少で他界して

自分の名前が刻まれたお墓が

家の横にあった　らしいじゃん。
なんか　さ

たぶん

自分の「死」を

すごくリアルに

感じてたんじゃないかな。
勝手な

憶測で

ごめんね。
でも　さ

だから　かな

君の絵は

輝きが

ハンパないよ　ね。
キャンパスの裏に

そんな下地が

あるせいなの　かな。
最期の絵

「カラスのいる麦畑」

あれ　さ

不穏な絵だ。とか

狂気の果て。とか

言われてるけど

よく見ると　さ

台風前のように

ザワザワと揺れる

麦畑の真ん中の

向こう側に　さ

かすかに

隣り合わせの空の色とは違う

濃い青色ある　の

あれ、

海？

ほんの数ミリなんだけど

わたし

あれ　さ

ひとり勝手に

海だ　と

思ってるんだ。
誰にも同意

得てないけど。
えっ？

ちゃうん？

そっか。

ごめんだね。

でも

解釈なんて

いつも

本人に都合がいいもんさ。

批判覚悟さ。
わたしは

それが

海に見える。
かえれるところ。

いだかれるところ。

やすらげるところ。
絶対

ぜったい

ズエッタイ

ゴッホくんは

最後の最後の最後まで

生きたかったんだよ。

描きたかったんだよ。

歌いたかったんだよ。
「セカイ、ガチ、キレイ。」
って。
わたし　ね

あなたの絵の前にいると

時が消え去り

時間のない

繭の中にいる気持ちになるんよ。
世界の空気の分子を

その優しい眼差しで

バラバラにして

循環させて

また

絵画という

光に戻してるみたい。
リバース

リフレーミング

リフレクション

リリース&

リフレイン。
君の喜びが

たくさんの人に

投影され

また

光が伝播する。
角度を変えながら

映りこみ

伝わっていく。
音　は　ない。

なくていい。

だから伝わるもんもある。
その有り様は

静寂の中の華厳だ。
君が

うつした光は

いまも

生きているよ。
姿を変えながら

たしかに

生きているよ。
#ゴッホ#華厳#光

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