女川原発再稼働と選挙Web会議vol 9 樋口英明さんの話_2021年9月16日

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女川原発再稼働と選挙Web会議 Vol.9
「耐震性に着目すれば全ての原発を止められる」
元福井地裁裁判長 樋口英明さんのお話
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■日時■
2021年9月16日

■主催■
Hope＆Action (事務局 木村)

■ポイント■
🎤大手メーカーの住宅は3000ガルとか5000ガルに耐えられるよう設計されているものもあります。
原発は一般住宅より耐震性が低い（700ガル）。それでは話になりません。
🎤地震を予知できない以上、全ての原発をすぐに停止すべきだと考えています。
🎤豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。
　
■樋口英明さんプロフィール■
1952年生まれ。三重県出身。
京都大学法学部卒業後、83年4月に福岡地方裁判所判事補任官。
85年4月より静岡、宮崎、大阪など各地の地方裁判所・家庭裁判所の判事補・判事を経て、2006年4月より大阪高裁判事、09年4月より名古屋地家裁半田支部長、12年4月より福井地裁判事部総括判事を歴任。
14年5月21日、福井地裁の裁判長として大飯原発3、4号機の運転差し止め判決、15年4月14日には高浜原発3、4号機の差し止め仮処分決定を出した。
17年8月、定年退官。主な著書に『私が原発を止めた理由』（旬報社）。

■呼びかけ文■
宮城県知事選まで 2 か月切りました。
有権者なんだから投票は当前、と思っている人にお願いがあります。
身近に選挙に無関心そうな人がもしいたら、「投票しようよ」と誘ってほしいのです。
勇気がいることです。
でも、大袈裟なようですが、多くの人や動物たちの命を左右する選挙なので、どうかお願いします。
「誰が知事になっても同じ。だから選挙に行かない」と言われるかもしれません。
しかし今回ばかりは（いつもですが）それはない、と強調したいです。
ざっくり言えば今回は（も）、原発を動かすか、止めるかの選挙です。
原発惨禍が起きても「避難」ができません。
自宅と故郷の喪失です。
気楽に帰っていけた実家や、サンダルでお茶飲みに行ったご近所などの居場所を失ってしまうんです。
放射能汚染されていると知りながら、子どもにその水を飲ませるしかなかった親たちがいます。
被ばくして健康不安を抱えて失業し、住まいを失くしているのに、裁判を起こしてまで求め続けないと、生きる権利や子どもを被ばくから守る権利さえ奪われていくのです。
しかも誹謗中傷や差別を受けながら。。。
あまりにも愛のない、人権侵害が酷い国だと気づかされました。
これらのとてつもないむごさを見ようとせず、被災した原発を「動かす」ことに執着しているのが宮城の村井嘉浩知事と背後の国政です。
今回は、元福井地裁裁判長の樋口英明さんにお話しいただきます。
あの歴史的な判決、大飯原発3、4号機の運転差し止め判決、それから高浜原発3、4号機の差し止め仮処分決定を出した人です。
全国の脱原発の思いを持つ人を勇気づけている樋口さんですが、ご多忙の中、90分お話してくださることになりました。
それほど、女川原発は止めねばならない、という強い思いでいてくださっています。
宮城県以外のみなさまとどんどんつながり、スピーカーのみなさまは全国的に活躍されている方をご紹介いただいてます。
思いがけないご縁に驚き、圧倒される最近です。
それだけ、女川原発再稼働はひっ迫した問題だと改めて思います。
そして、足元の宮城県内は、解決しないままの放射能問題や、新たな被ばくを強いるプラントの住民説明会なき建設など、日を追うごとに問題が山積です。
選挙の投票率をあげる一滴になればと始めた当会ですが、丁寧に粘り強く訴訟や地道な活動をしている人々をご紹介したいと思っています。
足元の問題と、県外の人々の思いを繋いでいくことも、回を重ねるうちに当会の役割と気づかせてもらい、育てられています。

■樋口英明裁判長（当時）が大飯原発再稼働を差し止めた時の判決文■
「被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。
このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。
また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。」

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