二転三転のGoToトラベル　何が起きていたのか(2020年10月13日)

『GoToトラベル』の割引をめぐり、先週末に一部の大手旅行予約サイトが割引上限を引き下げるなどと相次いで発表。ところが13日になって元に戻すということになりました。この二転三転の裏ではいったい何が起きていたのか。テレビ朝日経済部国土交通省担当の延増惇記者に聞きました。

◇なぜ制限されたのか
7月22日に始まったGoToトラベルですが、事業費は約1兆1200億円となっています。私たちは、宿泊施設や旅行会社、旅行予約サイトを通じて利用することで、様々な割引を受けられます。GoToトラベルが始まってから先月15日までに、約700億円が使われたということで、事業規模を見るとまだ余裕がありそうにも見えますが、旅行予約サイトで割引制限が一部にかかりました。
延増惇記者：「一番の理由は、旅行予約サイトに利用が集中してしまったこと。そもそもGoToトラベルは、事業者ごとに、前年度の売上と販売実績に基づいて、給付金という形で予算が分配されています。事業者ごとの金額は公表されていません。新型コロナの影響で、非接触で予約できるオンラインの予約サイトが有利に働いた」
（Q.割引額は、事業者が自由に決められますか？）
延増惇記者：「35％を上限に、事業者の判断に委ねられています。罰則などはありません」
（Q.10日ほぼ同時に、複数の予約サイトが割引の制限をかけた。背後に動きはありましたか？）
延増惇記者：「政府関係者が一様に口をそろえて言うのは『コミュニケーション不足だった』ということ。GoToの事務局、政府側と事業者が予算の追加をめぐって交渉します。そのなかで、予算が枯渇しそうにもかかわらず、事務局側から予算追加の確約が得られませんでした。そのため、謀反のような形で、事業者は一斉に制限に踏み切りました。キャンペーンの原資がなければ自腹を切らなくてはならないので、制限せざるを得ません」

◇今後はどうなる？
現在、旅行予約サイトでは「上限3500円」「予約回数を制限」「販売終了」としているところもあります。国交省の赤羽大臣は13日、「遅くとも14日午前中までには35％割引支援を再開する」と話しています。
（Q.当初発表の通り、来年1月末までは35％割引で続けられそうですか？）
延増惇記者：「観光庁の幹部は、来年1月までもつくらいの額を支給することになるだろうと話しています。そのため、1月くらいまではこうした混乱は起きないと思います」
（Q.3500円の上限で予約してしまった人はどうなるのでしょうか？）
延増惇記者：「利用者に不利益が生じないようにと政府も呼び掛けています。旅行予約サイトもキャンセル料をかからないようにする対応をとっていたり、自動的に通常通りの割引額に切り替えるという対応をとっている所もあります。
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