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紫外線が引き起こしたデボン紀末大量絶滅【論文紹介】

生命の誕生以来、地球は何度も大量絶滅を経験していますが、最も謎に包まれているのが、約3億6千万年前に起きた、デボン紀末の大量絶滅です。最近発表された論文で、太陽からの有害な紫外線によって大量絶滅が引き起こされた強い証拠が発見されましたので解説します。

(目次)
0:00 ビッグファイブ
0:28 デボン紀の地質的背景
1:05 地質調査から明らかになった証拠
2:15 有害な紫外線が照射された
2:31 オゾン層を破壊したのは誰か?
3:53 次回予告

(参考文献)
J. E. A. Marshall, J. Lakin, I. Troth, S. M. Wallace-Johnson, UV-B radiation was the Devonian-Carboniferous boundary terrestrial extinction kill mechanism. Sci. Adv. 6, eaba0768 (2020).
https://advances.sciencemag.org/content/6/22/eaba0768

No asteroids needed: ancient mass extinction tied to ozone loss, warming climate. doi:10.1126/science.abd0309
https://www.sciencemag.org/news/2020/05/no-asteroids-or-volcanoes-needed-ancient-mass-extinction-tied-ozone-loss-warming

Study shows erosion of ozone layer responsible for mass extinction event.
https://www.southampton.ac.uk/news/2020/05/ozone-extinction-event.page

【画像素材】
University of Southampton, NASA/GSFC, Pixabay, JAXA

【字幕説明】
生命の誕生以来、地球は何度も大量絶滅を経験していますが、
特に規模が大きい5つの大量絶滅のうち、
原因が未だに不明で、最も謎に包まれているのが、
約3億6千万年前に起きた、デボン紀末の大量絶滅です。

今年の5月27日に、Science Advancesに発表された論文で、
新しく発掘された地質記録から、
従来と異なる絶滅の原因が提唱されましたので、
具体的に見ていきましょう。

まずデボン紀の時代的背景を少しおさらいしますと、
それ以前まで海の中で繁栄していた魚や植物が、
陸上に進出し始めた時代です。

実は、デボン紀末の大量絶滅が起こるわずか1200万年前にも
別のやや小規模な大量絶滅が起こっており、
地球の気候が氷河期と温暖期をいったりきたりするような、
非常に不安定な時代だったことが知られています。

このような状況でデボン紀末期に大量絶滅が起こったのですが、
不思議なことに、他の時代の大量絶滅で見られるような、
火山噴火や天体衝突の痕跡が見つかっておらず、
最も原因が謎な絶滅イベントと言われてきました。

この謎を解き明かすため、
イギリスのサウサンプトン大学を中心とする研究チームは
グリーンランド東部でデボン紀の地層を収集し、
植物の化石や土壌の化学組成を測定しました。

こちらの写真は回収された、ある植物の胞子の化石を示しています。
写真の上下が地層の並びに対応しており、
下側が古い時代で、大量絶滅が起こる前の時代、
上側が新しい時代で、デボン紀の次の石炭紀の時代の化石です。
その真ん中の部分が、大量絶滅が起きたデボン紀末の時代です。
上と下の胞子の写真を見ると、綺麗な球形をしており、
規則正しく粒が並んでいることがわかります。

それに対して、大量絶滅が起きた時代の胞子は、
まるで日焼けしたかのように色が黒く、
また粒々が不規則になっていて、奇形であることがわかります。

別の種類の植物の胞子も見てみましょう。
赤枠で囲まれた二つの胞子が正常なものです。
表面から規則正しくとげが出ており、変な模様もありません。

それに対して、他のサンプルはどうでしょうか。
とげが曲がっていたり、へんな模様ができているもの、
そしてやはり日焼けしたかのように真っ黒になってしまったもの。

これらの特徴は、明らかにデボン紀末大量絶滅の時に
植物の遺伝子がダメージを受けて、
奇形が大量に発生したことを明確に示しています。

こういった奇形を生んだ大きな要因として考えられるのが
太陽から降り注ぐ有害な紫外線です。
この時代に何らかの原因で大気中のオゾン層が失われ、
紫外線が生物に直接照射され、絶滅の引き金となったのでしょう。

では紫外線が絶滅の実行犯だとして、
オゾン層を破壊した真犯人は誰なのでしょうか。

今回の論文では地層中の水銀濃度測定から、
大きな火山噴火はなかったこともわかりました。

一般的に、天体衝突や火山噴火が起こると、
大気中に様々な物質が放出され、
それらの化学反応によってオゾン層が破壊されたりします。

しかし、デボン紀末にはどちらも起こらなかったので、
どうやってオゾン層を破壊するのでしょうか。

論文の著者らは、「急激な温暖化の進行によって、
巨大な雷雲が至る所で生じ、
それによって水蒸気が成層圏まで巻き上げられ、
オゾン層を破壊する化学反応を促進した」
というシナリオを提案しています。

このような現象は「オーバーシュート」と呼ばれ、
現在の地球でも確認されています。

ただしこういった局所的な現象で
果たして本当にオゾン層をグローバルに破壊できるのか、
今後、気候モデルなどを使った詳細な検討が必要でしょう。

いずれにせよ、今回の論文で示された胞子の奇形写真は、
オゾン層の破壊が実際に起きたことを
強い説得力を持って示しているのは間違いないでしょう。

この研究は地球の未来を示唆する上でも非常に重要だと思います。
人類の活動によって、
オゾン層の破壊が進んでいることは皆さんもご存知かと思いますが、
このままオゾン層の破壊が進行していくと何が起こるのか。
3億6千万年前に起きた大量絶滅は、私たちの未来を暗示する
警告なのかもしれません。

それでは今回もご視聴ありがとうございました。
次回はニュースで有名な「はやぶさ2」の発見について、
個人的によくわかってない点が多いので、
論文をちゃんと勉強して皆さんにご紹介できたらと考えております。
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#惑星科学チャンネル #PlanetaryScienceChannel #行星科学频道

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6 июня 2020 г. 6:57:25
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