逢いたくて -フランク永井1999.7.4堺市AKI 西山信夫cover

イブの夜は彼と会う 準備で忙しいのでしょうか。それとも私の歌が鬱陶しくなってきたのでしょうか。フランク永井「逢いたくて」を歌うのは自由だが、コメントはしないと下妻有子氏から言われました。 1963年（昭和38年）の作品です。モダンで都会的だが、ムード歌謡にしてはやや暗く重い。表紙の写真でいえば赤いロングスカートを穿いた女の雰囲気がそれ。ママが一人だけのカウンターにたたずむ傷心の男。どっしりとした低音の響きが欲しいところだが、音色はいい。外に流れた音ではさほどに感じないが、低音域から上へ上がろうとする時巧くいかず少し窮屈になったか。小節（こぶし）は殆ど回っていない。巧いとは言えない。巧くないほうが素材のもつ深い味をそこなわないとは言えないか。その後「逢いたくて」は何度も歌われたが、凡庸そうに見える1999-7.4の頂を超えることはついになかった。廃棄されなかったカセットテープは此処にある一本のみ。上等の味こそないが、嫌（いや）みがないという味もある。2020-12.24

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