角島灯台と六連島灯台、国の重要文化財に

山口県下関市にある「角島灯台」（高さ29・6メートル）と「六連島灯台」（同10・2メートル）が、国の重要文化財に指定される見通しになった。１０月16日、国の文化審議会が文部科学相に答申した。今回の答申には、この2基を含む計4基の灯台が盛り込まれている。指定されれば現役の灯台としては初の国の重要文化財となる。
　下関市教委によると、響灘東端に位置する角島の西に建つ角島灯台は、1875年に建設された。「日本の灯台の父」と称される英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが指導、監督した。灯台守がかつて住んだ旧官舎と旧倉庫も同時に指定される見通し。
　角島灯台は日本海側では初の洋式灯台。築造当時は国内で最も高い石造りの灯台で、明治時代前期における石造りの建設技術の到達点を示すものとして評価された。
　響灘に浮かぶ六連島北東端にある六連島灯台は1871年に完成した。兵庫港（現在の神戸市）開港に伴って、瀬戸内海航路沿いに整備された5基の灯台の一つ。角島灯台と同じく、指導監督はブラントンがあたった。完成翌年には、明治天皇による初めての灯台行幸があり、参議だった西郷隆盛も同行した。
　国内最初期の洋式石造り灯台の一つ。その後に本格化する近代航路標識整備の礎をなすものとして、交通史上の価値が高い点などが評価された。

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