クラスター 患者14人死亡の教訓[新型コロナ]【news23】
緊急事態宣言は解除されましたが、各地で今も相次いでいるのが病院でのクラスターです。懸念される「第4波」をどう防ぐのか。80人が感染し、14人が死亡するという大規模なクラスターを経験した、ある病院の教訓を取材しました。
画面にはぎこちなく歩く、自身の姿が写っています。岩瀬雅則さん。新型コロナウイルスに感染し、意識が混濁した状態が10日ほど続きました。
「息をしているのに、ちょっと苦しいなと思ったとき、ひょっとして、意識がなくなって死んでしまうということがあるだろうかと」(放射線技師 岩瀬雅則さん)
聖マリアンナ医大横浜市西部病院。岩瀬さんは、この病院の放射線技師です。病院では去年4月、患者38人と職員42人が集団感染し、岩瀬さんも感染したのです。
クラスターは、なぜ起きたのか。病院の調査で明らかになってきました。病院に連絡が入ったのは、去年4月20日のこと。12日前まで、コロナとは関係のない病気で入院していた患者Aが退院後に発熱、感染が確認されたのです。このとき、すでに、感染は院内のあらゆる場所に広がっていました。
患者Aは4月3日に病院2階の救命救急センターに入院。発熱もなく、無症状だった患者Aが救命救急センター内で患者B、C、Dの3人に感染させ、看護師2人も感染したとみられます。患者Bはその後、感染を知らぬまま、南病棟3階の一般病棟に移動。この病棟だけで患者11人、職員20人が感染しました。患者Bのたんの吸引で、ウイルスを含んだエアロゾルが発生したとみられます。
次に感染を広げたのは、患者C。患者Cも、感染に気付かぬまま、救命救急センターから同じ2階の「心臓血管センター」に移動。ここでは、患者9人、職員12人が感染しました。患者Cはエアロゾルが発生しやすいマスク型の人工呼吸器をつけていました。
さらに、患者Dが移動した5階の南病棟では10人の感染が確認されましたが、感染源が患者Dなのか、別の患者なのかはわかりません。4階と1階でも感染が確認され、当時、すでに退院していた患者を含めて、病院全体であわせて80人が感染しました。
岩瀬さんは放射線技師として働いていた1階で、感染を知らずにレントゲン撮影にきた患者からうつったとみられます。
「感染患者だと知らずに、搬送されてきた患者さんを撮影しました。介助が必要だし、密接した状態で撮影にあたった」(放射線技師 岩瀬雅則さん)
「あの患者が、まさか感染者だったなんて」。症状がなく、感染を疑わなかったのです。
「甘かったんだなと思いました。陽性、あるいはコロナを疑う患者さんに対しては、きっちりとやってきたのでしょうけど、患者さんがひょっとしたら、感染者の可能性があることをいつも思いながら対応していかなければいけなかったのではと思う」(放射線技師 岩瀬雅則さん)
院内クラスターの発覚。病院では、どう対処するか、激しい議論が交されました。ICUの看護師で、副師長を務める川畑亜加里さん。どうすれば良かったのかと、自問自答しています。
「私たちが見逃したのか、症状を見逃したまま一般病棟に送り出しちゃったのかと、すごく動揺したというか。そうしないために必死に観察して、身体症状をチェックしてやってきたのに、私たちは何を見ていたんだろうと」(川畑亜加里看護師)
院内クラスターで亡くなった患者は14人。川畑看護師は、遺族への連絡を担当しました。
「何度も番号を押しては切って、かけられなくて。何時間もボタンを押しては切って、ボタンを押しては切って。大切な人を亡くした方たちですから。突然、違う病気で入院していたのに、急にコロナになりましたと言われて、急に会えないまま亡くなられて。ご家族に対して、どういう言葉をかけたらいいだろうなと」(川畑亜加里看護師)
「二度とクラスターは起こせない」。病院は対策を講じます。今回のケースでは、救命救急センターに運ばれてきた無症状のコロナ患者が感染を知らぬまま病院内を移動、相部屋で処置を受け、感染を広げていました。そこで、病院は救命救急センターを改装し、個室を増設。その個室に、原則、全ての患者を入れ、一般病棟に移す前にはPCR検査を行うようにしました。同時に、人工呼吸器の適切な管理、消毒を頻繁に行うなど、感染防止を徹底しています。
「怖がるだけでは進まない。自分たちに何ができるのか。後悔はもちろんいっぱいありますが、後悔だけではなくて、前を見ないと」(桝井良裕救命救急センター長)
「クラスターであったことを絶対一生忘れないで前に進むことが、せめて、やれることかなと。申し訳ないなと思うんですけど、本当だったらその時にできなければいけなかったんですけど、それがやらなければいけないことだし、すべきことと思って、今やっています」(川畑亜加里看護師)
(22日23:33)
#聖マリアンナ医大病院 #神保圭作 #新型コロナウイルス
#新型コロナ #クラスター #COVID19 #感染拡大 #過去最多
#緊急事態宣言 #重症者 #自粛 #コロナ禍 #医療体制
#tbs #news23 #小川彩佳 #山本恵里伽 #村瀬健介 #星浩
#聖マリアンナ
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Видео クラスター 患者14人死亡の教訓[新型コロナ]【news23】 канала TBS NEWS
画面にはぎこちなく歩く、自身の姿が写っています。岩瀬雅則さん。新型コロナウイルスに感染し、意識が混濁した状態が10日ほど続きました。
「息をしているのに、ちょっと苦しいなと思ったとき、ひょっとして、意識がなくなって死んでしまうということがあるだろうかと」(放射線技師 岩瀬雅則さん)
聖マリアンナ医大横浜市西部病院。岩瀬さんは、この病院の放射線技師です。病院では去年4月、患者38人と職員42人が集団感染し、岩瀬さんも感染したのです。
クラスターは、なぜ起きたのか。病院の調査で明らかになってきました。病院に連絡が入ったのは、去年4月20日のこと。12日前まで、コロナとは関係のない病気で入院していた患者Aが退院後に発熱、感染が確認されたのです。このとき、すでに、感染は院内のあらゆる場所に広がっていました。
患者Aは4月3日に病院2階の救命救急センターに入院。発熱もなく、無症状だった患者Aが救命救急センター内で患者B、C、Dの3人に感染させ、看護師2人も感染したとみられます。患者Bはその後、感染を知らぬまま、南病棟3階の一般病棟に移動。この病棟だけで患者11人、職員20人が感染しました。患者Bのたんの吸引で、ウイルスを含んだエアロゾルが発生したとみられます。
次に感染を広げたのは、患者C。患者Cも、感染に気付かぬまま、救命救急センターから同じ2階の「心臓血管センター」に移動。ここでは、患者9人、職員12人が感染しました。患者Cはエアロゾルが発生しやすいマスク型の人工呼吸器をつけていました。
さらに、患者Dが移動した5階の南病棟では10人の感染が確認されましたが、感染源が患者Dなのか、別の患者なのかはわかりません。4階と1階でも感染が確認され、当時、すでに退院していた患者を含めて、病院全体であわせて80人が感染しました。
岩瀬さんは放射線技師として働いていた1階で、感染を知らずにレントゲン撮影にきた患者からうつったとみられます。
「感染患者だと知らずに、搬送されてきた患者さんを撮影しました。介助が必要だし、密接した状態で撮影にあたった」(放射線技師 岩瀬雅則さん)
「あの患者が、まさか感染者だったなんて」。症状がなく、感染を疑わなかったのです。
「甘かったんだなと思いました。陽性、あるいはコロナを疑う患者さんに対しては、きっちりとやってきたのでしょうけど、患者さんがひょっとしたら、感染者の可能性があることをいつも思いながら対応していかなければいけなかったのではと思う」(放射線技師 岩瀬雅則さん)
院内クラスターの発覚。病院では、どう対処するか、激しい議論が交されました。ICUの看護師で、副師長を務める川畑亜加里さん。どうすれば良かったのかと、自問自答しています。
「私たちが見逃したのか、症状を見逃したまま一般病棟に送り出しちゃったのかと、すごく動揺したというか。そうしないために必死に観察して、身体症状をチェックしてやってきたのに、私たちは何を見ていたんだろうと」(川畑亜加里看護師)
院内クラスターで亡くなった患者は14人。川畑看護師は、遺族への連絡を担当しました。
「何度も番号を押しては切って、かけられなくて。何時間もボタンを押しては切って、ボタンを押しては切って。大切な人を亡くした方たちですから。突然、違う病気で入院していたのに、急にコロナになりましたと言われて、急に会えないまま亡くなられて。ご家族に対して、どういう言葉をかけたらいいだろうなと」(川畑亜加里看護師)
「二度とクラスターは起こせない」。病院は対策を講じます。今回のケースでは、救命救急センターに運ばれてきた無症状のコロナ患者が感染を知らぬまま病院内を移動、相部屋で処置を受け、感染を広げていました。そこで、病院は救命救急センターを改装し、個室を増設。その個室に、原則、全ての患者を入れ、一般病棟に移す前にはPCR検査を行うようにしました。同時に、人工呼吸器の適切な管理、消毒を頻繁に行うなど、感染防止を徹底しています。
「怖がるだけでは進まない。自分たちに何ができるのか。後悔はもちろんいっぱいありますが、後悔だけではなくて、前を見ないと」(桝井良裕救命救急センター長)
「クラスターであったことを絶対一生忘れないで前に進むことが、せめて、やれることかなと。申し訳ないなと思うんですけど、本当だったらその時にできなければいけなかったんですけど、それがやらなければいけないことだし、すべきことと思って、今やっています」(川畑亜加里看護師)
(22日23:33)
#聖マリアンナ医大病院 #神保圭作 #新型コロナウイルス
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