【探訪】「ハマの海上散歩」再び　目の前に迫る巨大客船

エレベーターを降りて橋上の遊歩道に立つと、心地よい潮風が体を横切った。太陽に照らされ、青々とした海が穏やかな波を打って広がる。対岸には、横浜・みなとみらい地区のビル群と富士山が見えた。
　横浜港に架かる横浜ベイブリッジに併設された歩行者専用道路「横浜スカイウォーク」の展望施設「スカイラウンジ」は、橋の高さから海を眺めることができる。
　平成元年９月に橋とともに開通したスカイウォークは開業当時は有料で、翌年度には約79万人の入場者数があったが、年々来場者が減少し平成22年９月に閉鎖された。
　その後、足元の大黒ふ頭に客船ターミナルが整備されたことで客船寄港数が増大。スカイウォークを間近で大型客船を眺められる観光施設として再整備し、31年４月に無料で復活オープンした。コロナ禍で再度閉鎖されたが、令和４年６月、土日祝日の日中限定で３度目の〝開港〟を果たした。
　５月のゴールデンウイーク最終日の夕方。横浜港大さん橋国際客船ターミナルからクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が出港すると、スカイラウンジに続々と人が集まってきた。東京都内から訪れた写真家の中村風詩人さんは、閉鎖前の１５年前から撮影に訪れているといい、「高い位置から、横浜のビルや富士山を背景に客船が通る様子を見られる、ここだけの絶景ポイント」とアピールした。
　ダイヤモンド・プリンセスは出港から１５分ほどでベイブリッジに差し掛かった。高さ約５５メートルの橋の下を全長約２９０メートル、高さ約５４メートルにも及ぶ豪華客船がギリギリで通過すると、見学者から大きな歓声があがった。航海に出る大型船を見下ろす非日常感を堪能できた。
（写真報道局　矢島康弘）

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