軍用無線機受信比較 Motorola Micom-2RS vs RT100/MP Trans World(After repair), Military radio Ham radio アマチュア無線

RT100の修理調整が終わったので受信比較をしてみました。2台とも内蔵スピーカーで録画したため、SPの小さいMocom-2RSは若干不利かもしれません。2台の音量バランスも不適切でした。内蔵SPではこんな感じですが、オーディオ用ヘッドフォンで聞くと軍用無線機は通信として非常に聞きやすい音ですね。またRT100は軍用ハンドセットではなくまともなマイクを繋ぎますと、送信音は個人的に大変好みの音が致します。現代の無線機と性能、音質の点で比較になりませんが、上から戦車に轢かれても大丈夫そうな堅牢構造や、内部の作りの良さや美しさは素晴らしいですね。神は細部に宿る、とは言い過ぎかもしれませんが。

【Micom2RS】
　IF DSP
【RT100/MP】
　Crystal filter 2.7kHz
　Up conversion 1st IF 75MHz, 2nd IF 1650kHz

RT100/MPの電源スペックは13.6Vと20−32V（本体ラベルは24−28V)がありますが、本機は後者のタイプです。電源が内蔵されていないため、故障のリスクが少なく、16.5kgで重たくないのが嬉しいです。

メーター、コネクター、スイッチ、Keypadが軍用規格は当然ながら、フロントスピーカーはOリングと防水ダイアフラムで完全防水になっています。空冷ファンも空気の取り入れ穴もありません。サイドのケース厚は17mmもありました。Youtubeを見ますと、バーナーで炙ったり、自動車で轢いたり水をかける動画が出てきます。

火責め→https://www.youtube.com/watch?v=szD854JQraI
水責め→https://www.youtube.com/watch?v=Bt5Py_RYC6g&t=116s

内部のRFモジュール間の接続はsolid-copper semi-rigid coaxial cablesを使用しています。以前メーカーによりOHがされたようで、各モジュール内部やネジの頭にはシールが貼られていましたし、銅パイプ両端コネクターにはペイントロックがされていました。

キーパッドの操作はマニュアルを読まないと非常にわかりにくいです。例えば、任意の周波数でSimplexで送受信させるには、Free Tune ChannelのC00から操作する必要がありますので、知らないと路頭に迷います。（Micom2RSでも普通に使うには毎回キーを十数回押しますが）。

RT100/MPの故障原因はお決まりのタンタルコンデンサのショートでした。そこに繋がっていたレギュレータTrも同時に激しく燃えてしまい、服や髪の毛には匂いがつくし、部屋には2−3日臭くて入れませんでした。同時代の無線機で、これまでHF380（3台全部）、FT850、RT9000もタンタルが燃えて周辺部品を燻製にしたり基板銅箔が吹っ飛びました。

人それぞれ価値観の違いがあり、最新機種の方が何もかもが素晴らしいに決まっていますが、こうした軍用機を触ってしまいますと、最新鋭の高級アマチュア機に全く興味を失ってしまいます。もし「人生最後に残しておきたい無線機を一台選べ」と言われれば、現時点では迷わずRT100です。国産最新ハイエンド機種やコリンズの銘機をタダでやると言われても、ですね、病気です。

動画を配信後、ELバックライトを交換して、X (旧Twitter)にアップしております。
https://x.com/JL1HID/status/1801190515540709657
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