コサギ

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川辺で、羽の白さが一際目立つ鳥、コサギ。
一般に、白鷺と呼ばれるサギの一つで、人の暮らしに近い場所に棲息し、その姿をよく見かけることもあり、とても馴染み深い鳥と言えるだろう。

白鷺と呼ばれる鳥は、コサギの他に、チュウサギ、ダイサギなどが居る。どれも全身真っ白で、鶴のように長い首とくちばしが印象深い。
これらの白鷺類は、本来は渡り鳥であるが、日本国内では留鳥化していることが多く、一年を通して姿を見ることができる。

白鷺は動物食で、魚やカエルなど、水中の生物を主な食料とする。ゆっくりと浅瀬を歩き、素早くくちばしを突き入れて獲物を捕らえるのだが、中でもコサギの捕食行動は実に興味深いものがある。

魚を狙うコサギをよく見ると、足を小刻みに揺すっているのが判る。こうして石の下に隠れている魚を驚かし、逃げ出したところを素早く捕らえるのだ。

コサギはこの他にも、軽く羽ばたいて魚を追ったり、時には、ゴミを投げ飛ばして魚をおびき寄せることもあるという。
かなりの知能を有すると覚しいが、なぜコサギは、こういった狩りが行えるのだろうか。

コサギの目は、一般的な鳥と同じく、顔の両側面に付いているが、くちばしの付け根部分に毛がなく、両目で顔の正面方向を見ることができる。
つまり、コサギは立体視が可能なのだが、それだけではない。

鳥の目には瞬膜と呼ばれる半透明の膜があり、光の乱反射を抑えるのに役立っている。
カメラ機材に偏光フィルターというものがあり、このフィルターを使うことで乱反射を抑え、高いコントラストを得ることできるが、鳥の目の瞬膜にも同様の効果がある。

実はコサギの瞬膜は白濁しているのだが、瞬膜が白濁していると、黄色に近い色が強調されて見えることが実験的に知られている。
まだ詳しいメカニズムは解明されていないが、コサギの場合、立体視と白濁した瞬膜により、黄色みを帯びた岩や水底に対して、魚が浮き上がって見えているのかも知れない。

瞬膜が白濁している鳥は珍しく、ダチョウ、カラスやキジの一部、そしてコサギだけなのである。

瞬膜の白濁は、この他にも、赤外線領域を見る効果があるとも考えられているが、コサギがどの程度の波長域まで感知しているのか、黄色に近い色をどの程度強調して認識しているのか、確かめられていない。
何れにしても、獲物を見つける能力の高さが、コサギの多様な狩りの方法を支えているのは、間違いないだろう。

人間にはこれほどまでに環境を計るセンサは無い。
しかし人類には分析力という種を越えた力がある。
その分析力で地球の姿を計ること、それこそが人類に与えられた使命といえるだろう。

ハイテクの一歩先にいつも堀場製作所

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