X - Sadistic Desire LIVE with Lyric 渋谷公会堂 ('89.3.16)

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Xって、自分で積みあげた積木を
自分で壊しちゃう子供みたいなとこがあるからさ
したくても、予定調和にならないんですよ
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ROCK'N ROLL Vol.37 ('90.5.27)
Text：Kumiko Murayama
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一ヒデさんにとって、いちばん大きかったことは何でした？
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「やっぱり『BLUE BLOOD』を作ったことになるのかな」
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一かなりの日数がかかったとか。
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「ボーカルだけで１か月。トータルで何日だったかは忘れちゃったけど。とにかく長かったですよ。普通レコーディングって言ったら、24時間あったら10時間とかやりますよね。俺らなんか22時間とか23時間とか。それを1〜2か月やって」
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一ほとんど寝ないで？
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「寝てないし、寝てるやつは寝かしといて、起きてるやつが作業するとか。信濃町にスタジオがあるんですけど、そこでやった後、また別のスタジオ行って。別々のスタジオでMIXと録りをやってたり。
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ほとんどスタジオの一角が家状態で、ヨシキなんかロビーに布団敷いて寝てて。レベッカとかプリンセス・プリンセスの人とか来ても、みんな寝てんの(笑)。そのボロボロ状態でデビューになだれ込むんですけどね」
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一今まででいちばん辛かった時期？
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「いちばんとは思わないけど。インディーズの頃とか、もっと無茶なことやってたから。許容量以上のことをやるっていう大前提を自分達で作っちゃえば、それは何とかできるっていうのがポリシーだったから。だからビデオ配布もやったし。今でこそビデオ配布ってあるけどその頃はなかったしね」
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一ビデオだと、かなりかかるんでしょ？
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「うん。パタとか給料の明細書がマイナスだったとかね、みんな家財道具がどんどんなくなっていくとか。自分達の首しめるってわかってるんだけど、“明日までに7万！”とか言うの。で、みんな何とか持ってくる。やっぱ切羽つまったほうがね、今もそうですけど」
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一ライブもかなりやってますよね。
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「個々のライブの印象はどこも鮮明だけど、なんか計画性があるようでないような。ショウアップしてるステージなんだけど、ヨシキが飛び込んじゃったり、トータル的にはヨシキが倒れちゃったり」
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一どこかで予定が崩れる。
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「うん。でも計画性っていうのは、野性のカンみたいなとこあるからね、俺ら。ここでこうしたら売れるとか、そういうの絶対に考えない。今になって“これは巧妙なセールスだ”とか書かれたりするけど、俺なんか見ると笑っちゃうもん。デビューの時なんか、スタッフですら“10万枚以上売れたら、裸で渋谷まで逆立ちしてもいい”とか言ってたくらいで」
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一すごい売れ方してますからね。そのへんの実感ていうのはありますか？
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「一番実感したのは、自分がFRIDAYに撮られた時。そんなに売れてるのかって思って。それまでって、本当に自覚なかったから」
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一これだけ売れたり、認知度が高まったっていうのは、自分では意外？
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「こうすれば自分達はいいんだって思うことが売れることであって、売れるための行為じゃないから。ノリが一番。確かに大きな計画性って必要だけど、Xって自分で積みあげた積木を自分で壊しちゃう子供みたいなところがあるからさ」
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一予定調和的なことはしたくない。
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「したくても、ならないんですよ、性格的に」
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一私生活の面で、何か変わった部分は？
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「基本的に、ずっと酒飲んでるからね。けっこういろんな事があっても、あったんだっていうのを他人のことのように聞くという。覚えてないことのほうが多いんですよ」
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一よく記憶を失なう。
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「記憶はほとんどないです。どうやって帰ったんだろうとか、すごく多いから。朝起きたら、いきなり骨折してたりとかね」
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一それはケンカしたとか？
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「そうですね。暴れたとかいろいろ」
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一それは、お酒がそうさせるの？
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「そうみたいですよ。なんか理由はあるらしいんですけど、別人格らしいですから。乗り移るってみんな言います(笑)。ツアー中は朝まで飲んでるんですけど、その間にドラマが展開するらしいんですよ。
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行った場所ごとに。大なり小なり、暴れたり暴れなかったりはするんだけど。話を聞いてると、ほとんど一晩のことのようではないんですけど(笑)」
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一それがツアーの一大イベント、みたいな。
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「俺とタイジとヨシキは、飲み方が似てるんです。一線を越すと切れるというか、何か言われたりされたりすると切れるのが俺達3人で、トシはマイペースで芸人になっちゃうし、パタはひたすらずーっと飲み続けてるという」
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一そういう人が３人いると、すごいでしょ。
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「でもね、便利なことに、3人いっぺんには切れることはないんです。絶対1人は止め役にまわるの。それだけはありがたいって、みんな言いますよね。ただ、3つのベクトルが1つに向いた時は、どうなるんだっていう(笑)」

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