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バレエ組曲エスタンシア Ballet Suit Estancia Op.8 小麦の踊り Danza del Trigo

《バレエ組曲エスタンシア Ballet Suit Estancia》 Op. 8(1941年)
元々は、1941年にアメリカ人インプレサリオのリンカーン・カースティンが、アメリカン・バレエ・キャラバンのために委嘱した1幕からなるバレエ作品であった。同バレエ団が解散してしまったため、ヒナステラは原曲から4曲を抜粋し、オーケストラ用へと編曲した。その組曲版は、1943年にコロン劇場で初演されている。本作品のテーマは都会出身の若者とエスタンシア(大農園)の娘との恋愛である。若者は娘に恋をするが、勇敢なガウチョに比べて見劣りする彼に、娘は振り向かない。しかし、最終場面で若者はガウチョたちとのマランボ対決に勝利し、娘の心を射止める、というのが大筋である。元のバレエ作品では、ホセ・エルナンデスによるガウチョ抒情詩『マルティン・フィエロMartín Fierro』(1872)の一部が朗読・歌唱され、地方の風景描写に臨場感が加えられていた。

〈小麦の踊り Danza del trigo〉
本曲は、元のバレエ作品では〈農園で働く人々〉の前に位置しており、仕事が始まる前の静かな朝の風景が描かれていた。地方舞踊音楽サンバの優雅なリズムや、前半の旋律の一部(C-A-C)には、《アルゼンチン舞曲集》の〈粋な娘の踊り〉との類似が見られる。爽やかな朝のパンパに広がる小麦畑を背景に、美しい娘が夢見るように踊るかのような、伸びやかな旋律が印象的である。

                                曲目解説 川端美都子

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12 февраля 2024 г. 1:41:27
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