【密着】線状降水帯“空からとらえる”挑戦、予測精度向上へ

豪雨災害をもたらす「線状降水帯」。そのメカニズムを、航空機を使って空から“直接とらえようとする挑戦”に、カメラが密着しました。

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連日、各地で「線状降水帯」の予測情報が出され、大雨となっている日本列島。こうした中、新たな試みが進められています。

航空機に乗りこんだのは、気象庁気象研究所と坪木和久教授の研究チームです。その狙いは…。

名古屋大学・横浜国立大学　坪木和久教授「線状降水帯をもたらす、太平洋から入る水蒸気。これを直接、測定します」

「線状降水帯」は発達した積乱雲が連なり、同じ場所で雨を降らせ続けるため、大きな災害となります。

しかし、その予測は難しく、去年の的中率は、わずか1割。線状降水帯の発生につながる水蒸気は、海から日本列島に流れ込みますが、その“海の上”の観測点が、ほとんどないことが要因の一つです。

こうした中、研究チームが使ったのは、観測機器の「ドロップゾンデ」。最先端の温度や湿度センサーがついていて、水蒸気の量や大気の安定性を直接、観測できます。

このドロップゾンデを航空機から投下。ドロップゾンデは落下しながら、観測点のない海上で大気中のデータを測定します。

この日は、大量の水蒸気が流れ込んでいるとみられる、九州地方の南東のエリアを中心に、およそ5分置きに投下しました。

坪木教授「九州の東側で、上層が湿っていたのは予想外でした」

こうして得られた貴重なデータは、予報モデルに取り込んで、より精度の高い予測につなげたいとしています。

空からの“一手”が予測の未来を変えるか、注目されます。
（2025年7月19日放送）

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