【後編】デビュー戦のリング上でキッドと交わした意外な会話とは？そして引退時にファンを悲しませた衝撃の発言とは？　　#プロレス　#格闘技　#RIZIN #小林邦昭

1981年、アニメのタイガーマスクを現実の選手としてデビューさせようという動きが起
こる。同漫画の原作者である梶原一騎と当時の新日本プロレスが友好関係にあり、新間と梶原の雑談の中で盛り上がって浮上した企画であった。

タイガーマスク・デビューの3日前の1981年4月20日、テレビ朝日で、アニメ『タ
イガーマスク2世』が始まっているが、このことがアイデアの背景にあったのだ。

いわば、ただの思いつきからの誕生であり、事実、テレビ朝日からは、なんのサポートもなかった。デビュー戦のテレビ放送も、実際のデビューから8日後の5月1日であった。デビューの告知も、事前の『ワールドプロレスリング』で、その登場がアナウンサーの口頭で軽く予告されたのみであった。タイガーマスクは、「1回きり」の可能性もあり、またデビューまで時間もなかったため、その準備はドタバタなものであった。

まず「中身をだれにするか?」について、新間は猪木と会談。 「だれがいいと思う?」という
猪木の問いに、新間はその名を紙に書いて裏返した。改めて今度は新間が猪木に、「社
長はだれがいいと思います?」と質問。すると猪木は、「佐山かな」。そこで新間は、自分の書いた紙を反転させた。そこには、佐山の名が書いてあった。

アニメのイメージを損なわず、原作者の梶原一騎を納得させられるレスラーは佐山しかいなかった。それほど、佐山の身体能力と格闘センスを猪木は高く評価していたのだ。

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